分が馬灯でみがえる憶はだといます?











「それは紛れも無くこの瞬間です」

「・・・さん、いきなり自分の考えだけ言われてもびっくりします」

「いやー、四月一日なら華麗なツッコミをしてくれるかなーって期待をしてたんだけど」






雨。ミセの外。四人の客人と次元の魔女。やっぱり生はかっこいいです。






「ってそんなこと言ってる場合か自分!魔力の使い方結局教えてもらってないのに・・・っ」

、独り言はもうちょっと小さく言いなさいな。四月一日、宝物庫から取ってきてほしいものがあるの」

「あ、はいっ」

「侑子さん酷いー・・・」






口に出てしまうのはしょうがないじゃないですかー!気付いたら出てるんですよ、うわーん!

でもやっぱり生の彼らがかっこよかったり可愛かったりするから、侑子さんの言葉はあんまり気にしないことにします。

ヤバ、想像していたよりも遥かにかっこいいです、ファイさん!そして目つき悪すぎです黒鋼さん!眠ってても可愛さは健在だよサクラちゃん!そしてやっぱり誠実そうな目だね、小狼くん!






、来なさい」

「はーい・・・じゃなくて!侑子さん、私まだ魔力の使い方教わってないんですけど!」






素直に歩いて侑子さんの所まで行ってさっきの考えに戻った。これからどうやって生き延びていけと・・・!






「記憶が戻ればおのずと使い方も解るわ。・・・利き手を出しなさい」

「手?」






言われた通りに利き手である右手を、掌を上にして侑子さんに出す。何かくれるのかと思ったら、腕に華奢なブレスレットを付けられた。細いチェーンでできていて、ワンポイントのように赤い薔薇の飾りがついている。シャラン、と鳴るブレスレットに目を向けて侑子さんに何なのかを問う。






「貴女の魔力はまだ不安定。だから、その魔法具が貴女の魔力を安定したものへと変えてくれるわ。必要がなくなれば自然と消えていくから、それまでは取っちゃダメよ」

「可愛いから、取れとか言われても取りません」

「それでいいわ」






タタタッ、とミセの中から四月一日が戻ってきた。って、ふえてるしー!、というナイスなツッコミをしながらこっちに来る。手には白と黒のモコナ。生モコナだ生モコナ!






「四月一日四月一日!その子ちょっと抱かせてー」






侑子さんが白いモコナを手に乗せ、小狼たちに説明している間に黒い方のモコナを四月一日に渡してもらった。






「おおー、フカフカだー!」

「モコナ、ふかふかだぞ!」

「わー、しゃべったー!かわゆいー!」

「テヘvモコナ、モッテモテ!」






ノリいいな、黒モコナ。白モコナも結構ノリよかったと思うけど、こっちも負けてない。






、遊ぶなら後で白いモコナでしなさい」

「はーい」






ぷにぷにとモコナを突いていたら侑子さんの制止のお声が飛んできたので黒モコナを四月一日に返す。元気でね、という言葉とともに。
四月一日はいまいちこの状況が解っていないのか、疑問符を頭の上に浮かべている。
バイバイ、と手を振って、私はこれからの旅の仲間の所に駆け足で向かう。






「では、行きなさい」






さあ、年代記を書き始めましょうか。











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10.03.01
加筆修正:11/02/17