直にきます。もしかしてうそろそろ寿命ですかね、の方の。











「それとも今ここでそっこー死んじゃいますかね?」

「どうしてそういう考えになるの」

「いやいやいや、だってですよ?それはつまり私が『ツバサ』の世界に入って旅をするってことですよね?このファンタジっくな今の状況を踏まえて考えてみるとそれしか結論が出てこないんですけど!?私の頭やっぱりもう天国行きですか!?」






百一歩譲って(一歩増えた)『HOLIC』の世界に今いるとしましょう。しかも、これは漫画の世界ではなくて現実・・・侑子さん曰く漫画の方が偽者(っていうか私に見せるために描かれたもので、この世界を忠実に再現していただけ)で、こっちが本物。で、今度は『ツバサ』で読んだ物語りが起こるからそれに私も加わると。勿論これも予知夢を漫画にしただけだからそっちが偽者で、今から起こることが現実。

要するにどっちも『HOLIC』や『ツバサ』の"漫画の世界"に来たんじゃなくて、その世界は元々存在している、と。それを漫画というもので描いただけだと。私に読ませるために。






「・・・・ジーザス!!」

「・・・」

「(つっこんでくれない・・・)」

「私がツッコミを入れるとでも思ったの?」

「そりゃ・・四月一日以上のものは無くてもちょっとは、とか思いました」

「後でたっぷりとつっこんでもらいなさいな」






後で?






「どういう・・?」

「貴女には時が来るまでここにいてもらうわ」






・・・・・・ワッツ ハプーン?






「言ったでしょう。旅をしてもらうと。その時がくるまで貴女はここで待機よ」

「・・・・あの、ちょっと、そろそろ頭がフリーズしそうなんですけど・・・」






はい、おさらいしましょー。

私は何でか知らないけど本屋で『ツバサ』という漫画を手に取り、そのまま大人買い。

家で読んでる途中で一瞬意識が無くなったかと思ったら、気づいたら侑子さんの目の前(因みに例のミセの庭でした)

混乱する。

ここが"漫画の世界"ではなく、現実の世界に存在するものなのだと告げられる。

更に混乱する。

『ツバサ』の世界(っていうか物語り?)も現実に存在していて、私が読んでいた物語はこれから始まるらしい。

そのこれから始まる旅に同行しろ。

頭フリーズ直前。

そしてその旅が始まるまでは侑子さんの所で待機?

そして今。

ちゃんちゃん。






「・・・え、ちょ、え?」

「整理はできたかしら?その調子では全くと言っていいほどできてなさそうだけど」

「まさかこんな非現実的な事が・・・!」

「貴女の友達の桜ちゃん。彼女も非現実的なものを持っているじゃない」

「カードキャプターとか魔力とかあれも非現実的だけど・・・この状況は私から言わせたら漫画の中に入ったってことなんですよ。例え漫画の方がこの世界を題材に描かれていたとしても。現実に絶対存在していないと思っていた世界があって、今自分がそこにいるってことが真面目に信じられませんわー」






ある日突然カードキャプターになった私より年下だった桜(因みに私はその時高校生)。それを知った知世と私。桜や小狼のように魔力は無かったけど、それでも出来る限りカードを集める手伝いを望んでした。最後に辿り着いたのはカードを創ったクロウ=リードの生まれ変わりのエリオル。

そのクロウ=リードは私に読ませるための漫画を創りだしていた。






「・・・・どうして読ませる必要が?私にあの漫画と同じ旅をしてほしいなら読ませようが読ませまいが何も変わらないんじゃ・・・」

「いいえ。クロウが予知した未来を見ることによって貴女は旅のおおまかな事を知れた。という事は死の危険も回避できるし、旅の最終的な目的地もおのずと解ってくる」

「だったら別に漫画じゃなくても普通に伝えてくれれば・・・」

「だから、それが対価よ。話さない、というのがクロウの対価。その対価によってあなたは今日まで平和な日々を送ってこられた」

「・・・平和な日々?」

「貴女には魔力があるのよ。クロウと同等のね」






・・・・・・はい、皆さんせーの!

パードゥン?










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10.03.30
加筆修正:11/02/17