「で、私の仕事の最優先事項は・・・・・世界の秩序と、均衡を守ること」
「だから、それを乱す『空間の歪み』をは片っ端から消していってるてわけ」
「・・・・・・・・い」
「え?」
テンポ良くディアミスと要約を済ませたの耳に入ってきたのはジェームズの声。
小さくて聞き取れなかったが今確実に何かを言った。表情で読み取ろうにも俯いててどんな顔をしているのかは不明。
けれど小刻みに震えているのだけは分かる。
ああ、やっぱりいつもと同じか・・・・、とがその瞳に悲しみの色を見せた瞬間、
「凄い!凄いよ!」
「・・・・・・・・・・・え?」
「魔術とか天使とか異世界とか・・・摩訶不思議!これぞ世界の不思議!」
「あ・・あの・・・・ジェームズ?」
「、今度またあの羽見せてよ!あ、どうせなら魔術も見せてほしいなー」
「・・・ジェ、ジェームズ・・・?」
嬉々として両手を取りぶんぶん上下に振って迫ってくるジェームズに何だか気合負けして、身体が後ろに反ってしまう。
何だ?何なんだ彼のこの興奮っぷりは・・・
「おいジェームズ」
「ん?」
「ん?、じゃねーだろ。が困ってる」
「え?・・あっ、ごめんね」
「あ・・ううん。大丈夫・・・」
ガシッとシリウスに襟首を掴まれたジェームズはそのままグイーッとから離された。
ジェームズの反応に解せない顔の。そんな彼等の反応を見て、口角を上げているディアミス。
「・・・・そ、それより・・・・・怖くないの?」
「怖いって?」
「私、人間じゃないんだよ?羽だって生えるし、皆と違う能力とかあるし・・・・・・何だか、訳分からない存在なんだよっ?」
そう、自分は人間から見れば訳の分からない存在。
人間は自分と違う存在を大きく否定するものだ。
今までだって何度否定されてきただろうか。
大天使という特別な存在のために、持つ力もまた特別に大きい。
同じ世界の人間からも『化け物』と言われたことも多々ある。
「何言ってるんだい?怖いどころか僕は嬉しいよ!」
「・・・・え?」
「天使と友達だなんて光栄じゃないか!」
キョトン、と言ったかと思えば、また興奮したように喋り出すジェームズ。
それに見兼ねたシリウスとリーマスはそれぞれ溜め息と苦笑い。
「たくっ。お前のその、『不思議大発見時』の暴走何とかなんねえのかよ」
「あははは・・・」
『光栄』?この私と友達ってことが?
・・・・・それよりも、
「・・・・・・友達で、いてくれるの?」
その自分の声を聞いて何だか滑稽に思えた。
何だこの弱弱しい声は。
仮にも、あのお方の殺戮人形と呼ばれたこの私が。こんな情けない声を出すなんて。
でも、怖かった。
離れていってしまうことが。
傷つけられることが。
拒絶させることが。
自分がこうなるなって分かっていたことなのに。
なのに、彼等に近付きすぎてしまった。関わり過ぎてしまった。
未来で大人の彼等に受け入れてもらっても、ここではそんな確証どこにもないのに。
ビシッ
「いった!?」
ビシッ、と額に凄い痛みを感じて思いっきり顔を上げた。
何だ、と思い見上げた先には・・・
「お前な、さっきからネガティブすぎ。つーか俺等のこと信用しなさすぎ」
「、僕に言ったこと覚えてる?」
『私は、"リーマス"が大好きだよ。"私"は、貴方は大切な友達だって心から言える』
『・・・・・・』
『私は、リーマスはリーマスだって思ってる。これは口先だけじゃないって貴方も解ってくれるでしょ?私にしかやれないようなやり方だけど、私は貴方に行動をもってそれを示したもの。それとも、あれだけじゃまだ信じられない?もっと他の事もやった方がいい?』
『なっ・・・そんな!これ以上が傷つくような事は・・・っ』
『冗談冗談』
「僕を受け入れてくれたのは君でしょ?」
「リーマスから大体のことは聞いた。今度は俺たちがお前に言ってやるよ」
ニヤッとシリウスが悪戯っこのように笑った。
それに呼応するようにジェームズも同じような笑みを浮かべ、リーマスは柔らかく微笑んだ。
「僕たちは、が大好きさ!」
空に輝く太陽が、頬に伝うの涙を光らせた瞬間だった。
Snow White
姫、貴女を受け入れましょう
「ー!」
「リリー!」
ただいまーっ、と言ってリリーが抱きついてきた。
それにおかえりっ、と返しもリリーを抱きしめ返した。
「あっ、リリーだけズルイわよ!よーっし、アタシも参戦!!」
「んぎゃっ。セ、セルフィーナ・・・そんな突進してこないで・・」
「私もやるー」
「んに"ゃぁっ。ベ・・・ベルさん・・・重・・っ・・」
リリーに抱きつかれたまま横からベルに突進され、後ろからはベルに全体重をかけられるように乗られた。
「(・・う・・・嬉しいけど・・・重い・・!)」
グリフィンドールの談話室内を見渡してもこんなに熱い再会をしているのはこの四人だけのようだ。
休暇から帰ってきた生徒も、出迎えた生徒も、何だ何だっといった顔で四人の方を見ている。
「三人とも、そんなにもみくちゃにしたらが苦しそうだよ」
「え?あっ・・」
「うっわ、ごめんね・・・」
「ごめんなさいー・・・・」
第三者の声でやっと我に返り、三人とも抱きついていた人物に目を向ける。
らいじょうぶ・・うん・・・・きっと・・・、と言って半分目を回しているがそこにはいた。
「三人ともおかえり」
「ただいまルーピン。あれ?ペティグリューは?アタシたちより先に着いてると思ったけど・・・」
「今頃部屋でシリウスとジェームズの熱烈な歓迎を受けてるよ」
その言葉にピクリ、とが反応した。
リリー達には気付かれないようにリーマスと目を合わせる。
不安そうな目をするに、『きっと大丈夫』という意を込めてリーマスは微笑んだ。
それにほっとしたのか、全てではないにしろの目から不安の色が消えた。
「とりあえず三人とも、荷物を整理してきたらどうかな?」
「そうね。行きましょう、セルフィーナ、ベル」
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11.03.24