クラの日と











最近の様子がおかしい。話しかけてもぼーっとしてる事が多いし、返事を返してきたとしても生返事な事が多々ある。しかもいつも何処か遠くを見詰めている、気がする。時折悲しそうな表情もしたりしなかったり。


そしておかしいのはだけじゃない。俺も何かおかしい。頭の中は四六時中の事で一杯だし、最近では一分一秒も早くに会いに行きたいと思う。それに、何故か無性にに触ってみたいとか抱きしめたいだとか思う事が多くなってきてる。






「・・・なあ、これって俺が変態だって事か?」


「・・・ちょ、ちょっと待ってくれシリウス?君本気でそれがどういう事か解らないのかい?」


「どういう事って?」


「まあね、シリウス。君は変態だよ?それは僕が保障する」


「いやいや、リーマスそんなところ保障してどうするのさ」






目の前に座るジェームズはその隣に座ってあっまーいココアを飲んでいるリーマスの言葉にツッコミをいれた。君は変態だよ、って躊躇いもなく言いやがったこいつ。






「でもそれはきっと普通の事なんだよ、誰かを好きな人にとってはね」


「・・・は?」


「リーマスの言う通りさ」


「どういう事だよ?」


「まさか、あのシリウスが初恋もまだだったとはね」


「あの両手に花だったシリウスがねー」






リーマス、両手に花って・・・まだ言うか。その話はもうこの間聞いたっつーの。それより何だ。こいつ等何で人の恋愛事情を悟ったような口振りなんだ。しかも初恋がまだとかあってるし。






「だから、お前等だけで話を進めるな!一体どういう意味なんだよ」


「パッドフッドくん、君は女を口説く技より自分の気持ちに気付く技を磨いた方がいいと思うよ」


「別に口説いてなんかねえよ。あいつ等は勝手に寄ってきてたんだよ」


「うわー最悪。皆ー、ここに最悪変態馬鹿犬がいるよー」






リーマスは半目で俺を見てそう言った。

こいつ、黒くね?いや、肌の色とかじゃなくて腹の色が。






「つまりだよ、シリウス。君はその子の事が好きなんだ」


「・・・俺が、を、好きぃ!?」


「それ以外考えられないね」


「・・・そ、そうだったのか・・・」






そうか、俺はが"好き"だったんだ。何だか自覚したら前よりもっと会いたくなってきた。今から会いにいってくるか。


と、その時。窓から山猫の守護霊が入ってきて救援要請を伝えて消えた。どうやら死喰い人と一戦交えているらしかった。


俺達はお互いに顔を合わせて一度頷きあうと、本部にいた他数人の仲間と戦地に赴いていった。

























「・・・シリウスっ!」


「っ・・・」






土砂降りの雨の中、ヤバイ、と思った時には遅かった。俺の右のわき腹と左の肩を光線が走った。ザシュッ、と肉が裂けた音が聞こえかなりの痛みが走ったが、なんとか耐えすぐさま呪いを放ってきた死喰い人に失神呪文を食らわせてやった。






「シリウス、大丈夫か!?」


「・・ったりめーだろ。こんなのかすり傷だっての」


「ったく・・・無理はするなよ、パッドフッド」


「俺がその言葉を聞くと思ってんのかよ、プロングス」






背中合わせに立ち、お互いにニヤリ、とまるでこれから悪戯でもするかのように笑った。こいつになら背中を預けられる。






「行くぜ!」






俺のその言葉を合図にまた激しい光線が飛び交った。






「・・・っ(にしても凄い雨だな。これじゃ暗いのも加担して少し離れてる敵がよく見えねえ!)」






俺の頭上ぎりぎりを緑の光線が走った。今のは危なかった。余計な事考えてる暇なんかねえ。とりあえず片っ端から早く片付けねえと。






『私が死ぬのはこの桜の樹が死んだ時』






ふと脳裏にの言葉が木霊した。


何だ?何でこんな事思い出すんだよ。集中しないと殺られるって時に。






「(・・・あいつ、この雨の中でもあそこに座って・・・・雨!?)」






桜が死ぬ時ってどういう状態の事を言うんだ?桜が散る時か?だとしたらこの激しい大粒の雨で散るかもしれない。もしそれがの言う"桜の死ぬ時"だとしたら・・・






「アバダケダブラ!」


「ステュービファイ!・・・くっそ、何でこんなにっ!」






小さく悪態をついてからまた一人敵を失神させた。

早く、早く行かなければ。手遅れになる前に。あのサクラを守りにいかねえといけねんだ。そうしなければが消える。






「(・・・冗談じゃねえ!)」






俺は人間で、あいつは精霊。もしかしたら・・・っていうか受け入れてもらえない確立の方が大きいと思うけど、でも俺の気持ちをあいつに何一つ言ってないんだ。聞いてももらえずにはい、さよなら、なんて俺は絶対に嫌だからな、。それに俺はフられたとしても諦めるつもりはねえ。あいつが俺の事を好きになるまで粘ってやる。それ程までに俺はあいつに夢中なんだ。自分で言うのも変だけど。






「・ッ・・ハ・・・ハア・ッ・ハアッ」


「ハア・・・ハアッ・・・シリウス、大丈夫かい?」


「っ・・悪いジェームズ!後処理任せた!」


「え!?ちょっと、シリウス!?」






この場にいた全ての死喰い人を倒し、後処理はジェームズに任せ俺はアニメーガスとなって駆け出した。犬の姿の方が人間より早く走れるから。傷ついたわき腹と肩がズキズキと痛んで熱を持っているけど、そんな事は気にしない。早く、一刻も早くあのサクラの樹へ。










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08.08.013