手ってよくわれま、んがか?











さんって料理上手なんですね」

「いやいやいや!四月一日ほどではないよー」






そんなことないですよ、とちょっと照れながらいうこの子はかわいいなコンチクショウ。

侑子さんのお店に居候させてもらって、早速私のお目当てのお一人、四月一日君尋くんにお会いできました。学ラン姿でお店に入ってきた瞬間待ってました、と言わんばかりに息継ぎなしで自己紹介をした私。

私の方が幾つか年上ってこともあって、呼び捨てでOKの許可をとり、今はこうして二人して朝食作り。本当にやってたんだ、侑子さんの朝食作り。






「小さいときに両親が事故で死んじゃったから一人暮らししていくうちに自然と・・・って感じなんだよね」

「・・・・すいません・・」

「大丈夫大丈夫!あんまり自分の過去は引きずらないタイプだし!」






ガッツポーズして大丈夫、と言うと四月一日はありがとうございます、と微笑んだ。やっぱり礼儀正しい子だなー。






「おれも、両親がいないんですよ。アパートの管理人さんが後見人になってくれて、少しでも迷惑をかけたくなくて家事全般は一通り出来るようにしたんです」

「・・・・そっか」






漫画を読んで知っていたけど、本当にその通りだった。何かこう間近でこういう話をされると知っていても気分は明るいものには、ならない。でも確か四月一日は小狼の・・・






「よし、それじゃあ持ってきましょうか」

「うん」






四月一日と、人数分の朝食を持って台所を後にした。











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10.03.30