サワサワサワ.....






またこの季節が来た。
アズカバンにいたからか、この空気を感じるのは久々だった。
そして、この木を見るのも。






「シリウス」

「リーマスか」






一人佇んで一本の木を見つめる俺の所へリーマスが来た。
こいつも、あの頃に比べると幾分か老けたな。(何て言ったら当時の真っ黒い笑みで返されそうなので止めておこう)






「・・・・サクラの木か・・・」


「・・・・ああ・・」






もう一生見ることは叶わないんじゃないかと思った。
仲間に裏切られ、投獄された自分。

が命がけで俺達に託した情報で、あいつを・・・ヴォルデモートを仕留められると思った。
なのに、それは俺達の仲間のせいで全てがダメになった。


そうして自分はは殺人の容疑で捕まり、投獄。




今またこうしてこの場所に来られたのは、親友の息子のお陰だ。


この場所は昔と変わらない。
大きなサクラの木があり、風が吹くたび桃色の花弁が舞う。






「ここで、に会ったんだったよね?」

「ああ。ホント、初対面のあいつには不信感しか覚えなかったな」






クスクスと笑うリーマスにつられて俺もふっ、と笑った。


今のこの世界を見たら、あいつはどう思うだろう。何と言うだろう。



リーマスから聞いた話だが(ホグワーツでハリーに助けられてから)、俺が捕まったすぐ後に、この世界は一度は平和になったらしい。
ハリーはヴォルデモートを倒したとかなんとかで。
だが、その平和な時ももう終わりだ。
ヴォルデモートが復活したと、ハリーは言った。ダンブルドアも言った。
またあの暗黒時代が戻ってくる。


今また騎士団が召集され、闇の陣営とどう戦うかの検討中だ。








、俺はまた戦ってくる。










今度は誰も死なせないように。
大切なものを必ず守ってみせる。






俺にとってのあの数日間は、君にとっての一生だった。


凄く後悔した。自分を何度も責めた。


けれど、現状は何も変わらない。
君はもう戻ってこない。



だから、決めた。






「シリウス、そろそろ行こう。騎士団の会合に遅れるよ」

「ああ」






リーマスの後に続いて、俺もサクラに背を向けて歩き出した。それと同時に一陣の風が吹く






『行ってらっしゃい、シリウス』






そう、聞こえた気がした。


振り返ってもそこにあるのはサクラの木のみ。






「・・・・・ああ。行ってくるよ、































俺は今日も君を想い続ける。














これから先もずっと。














クラの日と














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10.11.20