拝啓、天国のお父さんお母さん。
あなたたちの娘はなんだか凄い状況になりました。
なんとあの、いわゆるタイムスリップというものをしてしまいました。
タイムスリップした場所は江戸の末期です。
世間には怖がられている(らしい)新選組の方々に衣食住与えてもらえることになりました。
うわーお、凄いね!
歴史の知識のおかげか、はたまた新選組オタクの友達のお陰か、幹部の方々のお名前は今日一日でだいたい分かりました。
なんかとりあえず目つき悪い土方さん。
温厚でみんなのお父さんという感じの近藤さん(めっちゃ優しい)。
多分魔界から人間界にやってきたであろうデビル族の沖田さん。
わんこみたいでポニーテールがかわいい平助。
赤髪でイケメンってどういう遺伝子してるんだろうね、な左之。
筋肉マッスルハッスルで豪快な新八っつぁん(こう呼んでいいって言ってもらえた)。
無口でかなーりクールだけど、からかったら面白そうな一ちゃん(この呼び方は無許可)。
眼鏡の奥の眼光が時々ギラリと光って、実はこの人裏のボスなんじゃね?的な山南さん。
なんだか一緒にいてものすごーく落ち着く、優しいおじいちゃんな源さん。
とまあ私が未来から来たっていうのを知っているのはこの人たちくらいかな(っていうか今日はこの人たちにしか会ってない)。
あ、そうそう。
なんでか分からないんだけど、は沖田さんの小姓になりました。
あの人の雑用って一体何させられるんだろう・・・。
要するに沖田さんの雑用係かと思われます。
それだけじゃ衣食住全部与えられてるのに働かなさすぎだから、屯所内の雑用も兼務しようと思います。
働かざるもの食うべからずってね!
携帯も繋がらない現代の常識も通じないこの時代から、いつ元の時代に戻れるか分かりません。
でも、はこの状況を嘆くより楽しむことに決めました。
幸いここの人たちは何だかんだいい人ばっかりんなんだぞ★
帰れるまでの間、時たまこうして日記でも書こうかなって思います。
タイムスリップした日が卒業式だったから鞄の中に筆箱あったし!
お手紙用のメモ帳もあったし!
二人からもらったピアスもちゃんとブレザーのポケットの中入ってたし(学校ではつけちゃいけなかったから外しておいた)。
このピアスと一緒にあなたたちの娘、は元気ハツラツ〜?な感じで楽しくやってのけます!
それじゃあ今日はもう寝るね。
朝ごはんの手伝いで朝早く起きなきゃいけないんだ。
時計動かないから携帯のアラーム使えないし、起きれるか心配です。
まあ、とりあえず頑張っておきてみます。
それでは!
敬具。
自由に生きろ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・おはよう、ございます・・・・・」
トントン....
「あ、おはようちゃん」
グツグツ....
「よっ!起きるの遅せえな」
・・・・・・・・・やってしまったorz
清清しく挨拶をしてくれた平助。
とは反対に朝から何かドス黒い笑顔を出してきた沖田さん。
ああ、普通なら二人の出したオーラが正反対だから中和されるはずなのに沖田さんのオーラのが大きすぎて平助の爽やかなオーラが押し負けてる。
「寝坊なんて、いい度胸だよね?」
「(ひいいいいいい)ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!アラーム無くて起きれるかな?とか思ってたんですけどやっぱりダメで気付いたらもう朝日がこんにちはしてて・・・・とりあず包丁こっちに向けるのを全力で止めてください」
何か野菜を切っていたのか私の方に振り向いた沖田さんは包丁を持っていて。
で、何故かその切っ先が私の方に向いていて。
いや、まあ寝坊した私が悪いんだけどさ。それにしても、さ。
・・・・・・・・・・怖えええええええ。
「あらーむ?何だ、それ?」
「あ、えーと・・・目覚まし時計のようなものかな」
「めざまし時計?どんな時計だよ、それ」
・・・・・・・・・・ジーザス!!!
時計はあっても目覚まし時計は無いんかい!
「えーっと・・・自分の希望する時刻に音がなって、眠っている人を起こしてくれる時計だよ」
「・・・・ふーん。随分便利なものがあるんだね、未来には」
「んー、まあ未来ですから。で、遅ればせながら何か私も手伝います」
急いできたために結んでなかった髪を昨日と同じ位置で結びながら沖田さんの隣に立った。
どうやら彼はお味噌汁に入れる野菜を切っていたようだ。
で、よく見てみればお味噌汁以外のおかずはもうできあがっているご様子。
「って、言ってももう殆どできちゃってるからなー」
「も・・・申し訳ありません・・・・」
「まあ気にすんなって!次だ次!」
ああ、もう!平助が優しい可愛い!
私の肩を叩きながら元気づけてくれる彼が良い人すぎてどうしよう。
「ん?・・・・!お前っ、大丈夫か!?」
「え?」
「み、耳になんか刺さってるぞ!?」
「耳?」
「どうかしたの?」
「そ、総司!の耳・・耳に・・・・!」
「!・・・・ちゃん、こんなのどこでつけてきたんだい?血は、出てないみたいだけど・・・」
ん?え?耳?私の耳がどうした?
二人とも驚きすぎじゃない?平助はすっごいビビってるし、沖田さんは険しい顔つきになってるし。
一体何がどうし・・・・
「・・・あ、もしかしてピアスのこと言ってる?」
「「ぴあす?」」
二人の視線が注がれる自分の左耳に触ってみて納得。
昨日の夜寝る前につけた、両親二人からのプレゼントであり、形見でもあるサファイアのピアス。
この時代にはピアスをさす習慣・・・ていうか耳に穴を開けることさえしてなさそうだし、そりゃ吃驚もするわな。
「私の時代でのお洒落だよ。耳に小さな穴を開けて、そこにこういったピアスっていうアクセサ・・・・えーっと・・・・装飾品をさすの」
「・・・・・・へー・・・君の時代って本当変わってるね。痛くないの?」
「穴を開ける時には痛む人とそうじゃない人がいるんだけど、開けちゃえばもう痛くないよ」
「・・・・・怖えな、お前の時代・・・」
ピアスでこれだけ驚くって、他の未来のもの見せたらどんな反応するんだろう。
・・・・・・・・なんだか面白そうであります、隊長★
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(11.07.28)