そこにいたのは世にも奇妙な男達。











自由に生きろ











「って、奇妙なのは私の方だってか」

「座れ」

「はい」






あ、何か素直に従っちゃった。
だってすんごい睨まれたんだもん。
鬼の副長に鬼のような目で睨まれたんだもん。






「へー、未来人の女は皆そんな足出して生活してんのか?」

「ちょ!左之さん!どこ見てんだよ!!」

「平助ー、お前も男だったら一番最初に目が言っただろーが」

「なっ!?新八っつぁんと一緒にすんなよ!」






・・・・・・・・・。
なーんだ、あの可愛い生き物は。
何か知らないけどいじられてるぞ。
赤面して抗議してるぞ、かわゆいぞ。


とりあえず皆さん私のことを珍獣か何かを見るような眼差しで見るのはやめていただきたい。
一応こっちだって年頃の娘なんです。
男性の方からのそんな目線はちょっとだけ堪えます。5秒くらいヘコみます。






「先ず、お前の今後だが・・・お前は総司の小姓としてこの新選組で働いてもらう」






私の目の前に座っている土方さんはそう言った。そう言い切った。
さっき事前に沖田さんに聞いていたからさほど驚きはしないけど、一体何がどうなってそういうことになったんだろうか。






「それと、女がここにいると知られたら隊の風紀が乱れる。よってお前には男装してもらう。元々その格好じゃ目立つしな」

「(げっ・・・着物とか私、一人で着れんのか?)」






元の時代で着物なんてものとは全くの無縁だった。
女物より男物の方が着やすそうなイメージだが果たして着物自体と無縁だった私に男物であれ、着ることができるのだろうか。





「なあ土方さん」

「なんだ」






さっき大きい人たち二人にいじくられていた男の子が口を開いた。
見たところこの中で一番若いと思う。そして私と同じくらいの歳に見える。
にしても綺麗に決まってんな、ポニーテール。





「こいつ羅刹かもしれないんだろ?いいのかよ、普通に歩かせて」

「(また羅刹・・・)」

「・・・・・総司の話しを聞いても、こいつは陽の下でも普通に動けている。羅刹の可能性は低い。本当にただの遺伝的なものの確立が高い。羅刹どもと一緒にしなくてもいいだろう。が、羅刹に関係していないとも限らん。ここにおいておくのはそのためだ」

「なるほどなー」






さっきも言ってた羅刹というもの。
ポニーテールくんの質問の仕方だと"羅刹"なるものは普通に歩かせてはダメなものなのか?
で、土方さんの話しだと"羅刹"は太陽の下では普通に動けないと。
・・・・・んー、これだけじゃ羅刹ってのが何なのかさっぱりでんがな。





「質問しつもーん」

「却下」






はいはーい、と質問するために手をあげたらピシャリッ、と一瞬のうちに土方さんに却下された。
ぅおい!年頃の女の子の質問にくらい答えてくれよ!





却下を却下!羅刹って何ですか!」

「・・・・お前に教える義理は無え」






あ、土方さんの額に青筋。え、何で何で何で。あ、もしかしてあれか?『却下を却下』って言ったのに怒った?うわーお、心が狭いよ土方さん!






「羅刹って鬼って意味でしょ?私が鬼に関係してるかもしれないってどういうことですか」

「言ったろ。お前に教える義理は「いいんじゃないですか?」






何度も言わせるなと言わんばかりに言葉を発した土方さんの声は障子の前に座っていた沖田さんによって遮られた。






「別にこの子に教えたところで、この子はこの時代の人間じゃないんだし。それに、未来の世界では"羅刹"って呼ばないだけで同じようなものがいるかもしれない」

「うむ・・・そうだな。総司の言う通り教えてやってもいいかもしれん。政府からの密命でも、未来からの客には密命も何もないだろうからな」

「近藤さんまで・・・ったく!いいか、一度しか言わないからよく聞けよ」





そうして話してくれたのは世にも奇妙なお話し。








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(11.07.27)