声が、聞こえた。
どんな感じの声だったか、なんて覚えてない。
ただ、言われた言葉だけが頭の中に残った。
自由に生きろ
えー、と?何これ?どういう状況?
「君、誰?」
「・・・・・・・いや、あなたこそ誰」
えー、おはようございます。です。とりあえずたった今起床です。っていうか寝た覚えがないんですがね。
そして起床した原因は、今私の目の前にいる男のせいです。
簡潔に、寝る前の私の記憶を思い出してみると、とりあえず卒業式当日だった、式終わって帰ってきた、何か一瞬めっちゃ凄い眩暈した。
はい、回想終了。
オーケイ。ここまではノープロブレム。
問題はその先だ。
とりあえず眩暈がしたあとの記憶が無い。
んで、今私の目の前にいるこの男を簡潔に説明しますと、変な格好(着物?ぽいけど前はだけすぎだろ)・刀っぽいもの持ってる・しかも私にそれを向けてる・でもかなりのイケメン、です。
はい、説明終了。
チッチッチッチッ・・・・・・・
ええええええええええ何これ!!
何この状況!結局最初の質問に戻る始末じゃねえか!!
何この人!っていうか何この部屋!!よく見たら全く私の部屋じゃねえよ!私の大好きなクラレの抱き枕も無いよ!クラレー!クラレー!!君がいないと私うまく寝付けないんだよおおおおおお!!
「ク・・・クラレ・・・!」
「くられ?君、くられっていうの?」
「そんなわけあるか!おま、クラレ知らないのか!ミラバケッソだよミラバケッソ!!未来に化ける新素材、略してミラバケッソ!っていうかここ何処!?」
クラレ知らないって相当だな。いや、もしかしたらミラバケッソっていうフレーズとそのCMに出てる動物がいることを知っててもその動物の名前を知らないのかもれない。うん、よくあるある。私だってガスパッチョのCMに出てたあの青いくまの名前知らないもん。
ていうかここ何処(二回目
「みらば・・?何それ。ふざけてるわけ?さっさと話さないと斬るよ?」
「え?何?これで?この絶対レプリカ間違いなしのこれで?」
「れぷりか?何言ってるの。君、馬鹿?これは刀っていうんだよ」
「知っとるわボケ!これが刀のレプリカ以外何に見える!馬鹿はお前だばーか!」
見ず知らずの、しかも初対面の人に馬鹿と言ってしまった。普通なら絶対やらないさ、いくら私でも。
でも、この目の前にいる男はレプリカでも刀を私に向けている。何の事情も知らない私に。これくらい言ったっていいだろ。無礼はあっちだって似たり寄ったり。
でも、本当に何処ここ。もしかして、眩暈のあとそのまま倒れて、んでその後にうちに強盗が入って私ごと盗まれた?身代金とか目当てに?じゃあこいつがその強盗犯?こんなイケメンが?
あ、強盗犯にイケメンもブスメンも関係ないか。
「へー、そんな口きくんだ。本当に斬るよ?」
「斬れば?この強盗犯が」(←決め付け
「強盗犯?君、やっぱり馬鹿でしょ」
「はあ?馬鹿に馬鹿って言われたくな・・」
私の言葉は最後まで続かなかった。
今まで顔の目の前に突きつけられていた刀のレプリカが私の左頬を裂いた。本当に浅く、だと思うけど(それでも痛かった)
一瞬、斬られたなんて感覚はしなくて。目の前の男の刀を持っている手が素早く横に動いたのを見て、自分の頬に触れて、その手に付いた赤い液体を見て、初めて『斬られた』のだと実感した。
「正直に答えてね。今度は首が飛ぶよ。君は、誰?」
ちょっと待て。え、ちょっと待って?あれ、何で疑問系?まあいいや。とりあえずその刀降ろそうぜ、兄ちゃん。床にぽいしてぽい。何か危ないから、何かレプリカじゃないっぽいから。何か本物っぽいから。っていうか首が飛ぶだと?ふざけ。強盗犯なんかに首飛ばされて堪るか。にしても今時の強盗犯は格好も変だと思ったけど、そうか頭がイってらっしゃったのか。首を切るなんてグロすぎてあまりやりたいことではないだろう。ねえそう思いません奥さん?聞きまして?『今度は首が飛ぶよ』ですって。まー物騒。
なんて、言える状況じゃない・・・・
誰かヘルペス ミー。
あ、違った。ヘルプ ミー!
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(11.01.04)