「いくよ」
「ん」
その言葉の後にディアミスが指を鳴らし、の下にセレスト色の魔法陣が現れた。
その魔法陣が光り輝いたかと思ったら、次に聞こえてきたのはポンッという何とも可愛らしい音。
その音とともに、は自分の目線がグンッと大きくなったのが分かった。
「おー。その姿の見るの久しぶり」
「まぁ、この一年任務なんてしてなかったしね。魔法都市にいた時も最近じゃディアとは共同戦線なかったし」
「子供姿も可愛いけど成人した姿も可愛いよ」
「ありがとう。鬱陶しいからちょっと離れて」
「が冷たいー」
えーんと泣きまねをして見せるディアミスに溜め息一つ。
いつもの子供の姿の彼がするならまだしも今は成人した姿なのだ。
しかもそれが童顔や身体が小さいシルエットならまだしも、ほどよく筋肉がつき顔も女の子達が放っておかないような格好良い系美男子。
要するに可愛くはないわけで。
「もー!これから敵陣に乗り込むっていうのに気抜けすぎなディアが悪いんんでしょうがっ」
「って、言ってもいざとなったら俺は制御装置つけてないから守りながらでも逃げれる自信あるよ」
「・・・最悪なことを想定して行くのは重要だけど、できれば前向きな発言をしてほしいんだけど。バレるの前提とかやめて」
「ま、何とかなるよ」
「・・・・・(能天気・・)」
ニコッと微笑まれれば何故だが何も言えなくなる。
いつもよりも大人な姿となったディアミスに手を引かれ、目的地へと転移の術で飛ぶのだった。
Alice In Wonderland
不思議で不気味な計画
事の始まりは数日前のボージン・アンド・バークスでの出来事。
は以前レンに聞いていたブラック家にいるミュータントのことをこの夏季休業中に調査することを決めていた。
ディアミスにも協力してもらい、先ずはブラック家への侵入作戦を企て、その結果シリウスの母であるヴァルブルガ・ブラックに接触することに。
二人は事前にヴァルブルガが店へ来る日にち、時間を調べ上げたのだ。
勿論、そのままの容姿では話しにならないので、ディアミスの魔術で成人以上の姿に。
は髪と目の色も変え。
『あの、もし・・・・ブラック家のヴァルブルガ様ではございませんか?』
『・・・・・いかにも』
『まぁ、お会いできるとはなんたる光栄。私はリノア・ハーベストと申します。こっちは兄のギルデ・ハーベスト。以後、お見知りおきを』
『・・・・ハーベストだと?そんな家聞いたこともない』
『その通りです。私どもの家は代々ブンクローの寮で中級家系の家でございます。ヴァルブルガ様のお耳に入っていなくても不思議ではないことです』
『ふん。そのブンクローの家の者どもが私に声をかけるとは一体どういう了見だ。汚らわしい』
『ご尤もな意見でございます』
『しかし僕たちは決して自分達の家を好んではいません。僕たちはブンクローの家系の生まれでありながら、愛してやまないのは純血至上主義なのです』
『・・・・・・何?』
『一族の者には混血もいます。マグルに興味を持っている輩もいます。そんな者達を見ていると虫唾が走るのです』
『魔法は生粋な魔法族にのみ教えられるもの。混血やマグルなんていう輩は滅んだ方が世のため人のためなのです』
『だから私達はあなた方ブラックの家を羨ましく思うのです。真の純血、真の純血主義の家系』
『貴女がこの店へ入ってきた時、恐れ多いとは思いましたが、憧れと尊敬の念には勝てずお声をかけししまった僕たちをどうかお許しください』
完璧だった。
最初こそ疑念を抱いていたヴァルブルガも純血至上の考えを二人が話せば話すほど気分を良くしていった。
二人は反吐が出るほどマグルや混血のことを貶した。
そうして今回の作戦の土台になる話しを切り出した。
これから出す交渉が成功しなければ今回の作戦は始動すらできない。
『ところで・・・ご子息様がホグワーツへとご入学されたとか。おめでとうございます』
『ああ』
『ですが、僕たちが聞いたところご子息・・・シリウス様はスリザリンではなく憎きあのグリフィンドールに組み分けされたとか』
『・・・・そうだ。あの一族の恥めっ』
『・・・・・・ヴァルブルガ様。よろしければ・・・・・・・・・・』
コンコン....
豪華な装飾が施されたドアノックを叩くと直ぐに扉からメイドが顔を覗かせた。
「・・・こんにちは。今日からシリウス様の家庭教師を担当させていただきますハーベスト兄弟です」
ニコリ、は営業スマイルを作るのだった。
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11.07.26